@techreport{oai:shiga-u.repo.nii.ac.jp:00009890, author = {酒井, 泰弘}, issue = {No. J-19}, month = {May}, note = {Technical Report, 日本および海外の学界において、フランク・ナイトへの知的・学問的関心が復活しつつある。「ナイト・ルネッサンス」と言えるほど、シカゴの大長老ナイトの人間観・学問業績が再評価され、それを21世紀に生かす道が模索されつつある。特に、わが日本は2011年3月11日、東日本大震災を経験し、大津波・大地震・原発事故という「三重の苦難」に直面した。我々リスク研究者は、原発を「安全神話」から解き放ち、「想定外」の事象を積極的に想定するような学問研究を推進する必要がある。その際に、羅針盤の役割を演じるのがナイトの経済学・思想なのである。本稿の目的は、主著『リスク、不確実性および利潤』(1921年)を批判的に読むことを中心にして、リスクと不確実性との相違、不確実性下における企業家の役割、および剰余としての利潤の発生について、ナイトの所説を明らかにし、特にその現代的意義と発展方向を示すことである。 直接の個人的面識を持たないものの、幾多の縦糸と横糸の繋がりを通じて、ナイトの深い残影が私自身の個人史を彩っている。自分と親交が深いブロンフェンブレナー先生の御振舞いの中に、ナイトの面影が色濃く残っていたように感じる。 ナイトによれば、人間の世界は変化の世界であり、不確実性の世界である。人間が頼りにするのは、部分的情報・部分的知識に過ぎない。人間の直面する「確率的状況」は、①先験的確率、②統計的確率、および③推定・判断という三つのタイプに分かれる。①と②は客観的で測定可能な「リスク」、③は測定不能で主観的判断の入る「不確実性」に関係する。不確実性の研究は、近時において軽視される傾向にあったが、今後において飛躍的に推進されるべきだと痛感している。「歳月、人を待たず」というが、「歳月、人を残す」ということも真実なのである。, CRR Discussion Paper, Series J, No. J-19, pp. 1-26}, title = {フランク・ナイトの経済思想 : リスクと不確実性の概念を中心として}, year = {2012} }